HELIOLITEー君と輝く音ー



「あ、あの!真剣にギターを弾いているヒーローはやっぱりかっこよかったんですけど、そこに笑顔が加わればもっと素敵になると思ったんです」



目を瞑り必死に決してヒーローがかっこよくない訳じゃないことを説く。


大きな声で言った後の静寂が居心地悪く、恐る恐る顔を上げる。


するとそこには、目の辺りを赤く染めたヒーローが居た。


丸く開かれた瞳は驚愕に染められているが、その近くは赤で彩られている。



なぜと思う前にりんちゃんがヒーローを肘で突っついた。


我に返ったヒーローが私を見てぎこちないなりにも笑顔を向けてくれる。



「えっと、何だ。心がける」



その言葉に私は笑顔で頷いた。


彼の笑顔は本当に素敵だからたくさんの人に見てもらいたい。


心からの笑顔を、たくさんの人に。



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