HELIOLITEー君と輝く音ー
「武内って何者?」
「知らん。俺が聞きたいわ」
拓弥がこっそりと耳打ちする。
武内をジッと見ていると、俺たちの視線に気づいたのか、首を傾げた。
「二人とも、出発するって!」
望の家でドラムセットを積み込んだ車が俺たち五人とドラムやギターを乗せて出発する。
後部座席に五人。
場所を取るだろう楽器を乗せても、まだまだ余裕のある車内はやはり凄いし広い。
走行する振動すら伝わってこない車はしばらく走り、そして着いた。
「さあ、着いた。ここが私ん家」