HELIOLITEー君と輝く音ー
自動で開いた門をくぐり、敷地の中へ入っていく車。
「ここ!?」
拓弥が窓から外を覗く。
広々とした庭に大きなガレージ。
そして、当たり前だがガレージよりも大きい洋風な家。
というよりも城だな。
そんな城(家)の入り口の前でゆっくりと止まった車。
「セバス、後運んどいてね」
「畏まりました。お嬢様」
恭しく頭を下げたセバスと呼ばれた女性。
彼女が二度手を叩くとどこからともなく同じく黒いスーツに身を包んだ女性が数人出てきた。
「楽器をあの部屋へと運びなさい」
十数人の女性が俺たちというより武内に頭を下げ、楽器を素早く車から運び出していく。
それはそれは丁寧に。