HELIOLITEー君と輝く音ー
車から降りていた俺たちは呆然とその様子を眺めるしかできなかった。
まず、手を出す隙がなかった。
「あの、晴香?」
「うん?何?」
望が恐る恐ると武内に話しかける。
そして、俺や拓弥が思っていることを一言で尋ねる。
「晴香って、何者…?」
「んー内緒」
ニコリと笑う武内に彼女は信じていい存在のかと不安になる。
まあ、笑う武内の横ではかなでが苦笑を漏らしているから、まあ大丈夫なのだろう。
何となく、かなでは知っていそうだから。
知っている上で一緒に居るのだから何も問題はないだろう。多分。
協力してくれていることだし。
協力はないに越したことはない。