HELIOLITEー君と輝く音ー
「り、りんちゃん…」
「なーに、何の騒ぎよ」
その時、少し席を外していた武内が戻ってきた。
一人騒ぐ拓弥をアホな子を見る冷めた目で眺めている。
「あの、りんちゃんが海に行きたいって言い出して…」
「何よ、それ」
馬鹿じゃないの。と、ため息を吐くと同時に思い出したように口を開いた。
「あ、そうだ。海はないけど、あれならあるよ。プール」
「プール!」
武内の言葉に騒いでいた拓弥が目を輝かせる。
とりあえず、奴は遊びたいのだろう。
望の言う通りこの街の近くには海がない。
だから、海に行くことは難しいが、プールが近くにあるという武内の言葉に、じゃあプールに行こう!
と、今度はプール!と騒ぎ出した拓弥。