HELIOLITEー君と輝く音ー
〓夏の思い出〓singかなで
「ム、ムリです!」
「ムリじゃないから。はい。これ着てね。メガネもちゃんと取ること」
「うー…」
晴香ちゃんから手渡された数枚の布切れ。
そう、これこそが水着だ。
バンド練習のために集まっているはずが、まさかのプールに行くことになるなんて。
晴香ちゃんの家のプールとはいえ、人様の前に素肌を晒すなんて恥ずかしくてムリに決まっている。
それなのに。
入らないという選択肢は最初から与えられておらず。
腕に抱えた水着が肌に触れひんやりする。