HELIOLITEー君と輝く音ー
「かなで、やっぱり似合ってる!それにしてよかった」
晴香ちゃんが上から下までチェックして頷く。
満足そうにしている彼女とは反面、私は不満しかない。
見え見えのお世辞なんていらないもん。
水着なんて、中学卒業したらもう着ることはないだろうと思ってたのに。
「これは宏紀と拓弥、驚くだろうな」
特に宏紀とかやばいんじゃないだろうか。
最後の言葉はなんて言ったか聞き取れなかったけど。
しみじみ呟く望ちゃん。
ヒーローとりんちゃんの前になんて出られない。
「パーカーないんですか?」
「そんなの用意してませーん。じゃあ、行こー!」
背中をぐいぐい押して歩き出す晴香ちゃん。
その横を笑いながら歩く望ちゃん。
そして、無理やり連れて行かれる涙目の私。
逃げることもできず、私はプールまで連れていかれた。