HELIOLITEー君と輝く音ー



篤はバンドを抜けてから、一時俺たちを避けるようになっていた。


なるべくなら顔を合わせないようにと。


まず、クラスが違うから普段会うことは余計ないのだが。



そんな時だった。


かなでに歌詞を書かせる事に決めた時、篤自身の了承もなく講師として協力してもらう事にした。


内心、篤が快く来てくれるとは思っていなかった。


親のせいで辞める事を決めたとはいえ、急に抜けたんだ。


篤だって気まずいと感じていたのだろう。


全ては俺の独断だった。



だが、やはり篤は篤だ。


音楽が好きな事には変わりない。


講師を快く承諾してくれた。


それからは、今までと同じように関わるようになり、いつも笑顔を浮かべるようになっていた。


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