HELIOLITEー君と輝く音ー
〓ボーカル候補〓sing宏紀
「なぁ…見たか?」
「見た見た!それに聞いた!」
「「すっごい」」
「可愛かった!」「上手かった!」
拓弥と望の言葉がはもるかと思ったらそうでもなかった。
望は歌に対しての上手かった。
拓弥ら容姿に対しての可愛かった。
「って!ちょっと!可愛かったって何よ!そこは歌に関してでしょ!?」
「歌も上手かったが、見た目も大事だろ!」
「確かにすごく可愛かったけど!」
言い合いが始まるかと思いきや、拓弥の発言に同意する望。
そして、その言葉をもっと確証のあるものにすべくか、俺の方へと向き直る拓弥。
「宏紀もそう思うだろ?」
「あ、ああ…」
確かに、否定は出来ない。
歌は上手いし、容姿も申し分無い。
サラサラな黒髪が太陽の光を反射して輝いていたし、一瞬見開かれた瞳も大きかった。
全体的に小柄にも見えたし、思わず守りたくなる。
それに、歌声だ。
高音も一切ブレる事がなく、低音も女にしてはきっちり出ていた。
こんなに歌が上手い人がこの学校に居るなんて知らなかった。
一体、何者なんだ。彼女は…