HELIOLITEー君と輝く音ー
まあ、百歩譲って良い考えである事は認めてやらないでもないが…
俺も微かに思っていた事だしな。
彼女の歌声には人を惹き付ける力がある。
彼女が俺たちのバンドに入ったら、凄い事になると確信出来る。
「うん。と、拓弥にしては…良い事言ったね。うん」
「俺にしては、って何だよ?俺の事を何だと思ってたんだよ!」
「え?馬鹿?」「馬鹿だな」
「クッソー!もう、良い!俺、グレてやる!」
うわぁー!!と、屋上の柵越しに運動場に向かって叫び始めた拓弥。
近所迷惑だからやめろ。
それにグレる発言で叫ぶに繋がるとか、やはり救いようのない馬鹿だ。