HELIOLITEー君と輝く音ー
机の前にしゃがみこみ、肘を付ける拓弥。
扉の前で通行の邪魔になっている奴を足で蹴飛ばす。
「痛っ」
「邪魔になる、どけ」
俺がそう言うと、渋々場所を移動する。
「あ。そういえば、さっきは何かあったのか?」
「あ゙?ああ、あの時の歌声に似た声が聞こえたからな…」
「えっ!マジ!?何それ、早く言えよなー!」
俺も聞きたかった…と、落胆する拓弥を余所に、俺は教室の中を見渡す。
見たところ、このクラスの生徒のほとんどがもう居るみたいだ。
しかし、目ぼしい人はどこにも居ない。
俺が来た後に入って来た数人の中にもそれらしい人物は居なかった。