HELIOLITEー君と輝く音ー
なんと気なしに後ろを向いていた顔を前に正す。
その時、ふと視線を感じた。
後ろを向いていた時には感じなかった視線だ。
控えめに。しかし、しっかりと俺を…
正しくは、俺と拓弥を見ている視線を。
その視線の主を探ろうと、もう一度後ろを振り返ろうとした時。
ガラガラと、教室のドアを開ける音と共に、このクラスの担任となる教師の声がそこに響き渡った。
仕方なく、俺は後ろを振り返る事を諦めたのだった。
教師の事なんか気にせず、後ろを向いていれば何か分かったかもしれないのに…