【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
手を出さなかったことは証明されたが、香織が聞き逃したという『幻の寝言』には、やはり記憶が無い。
香織も寝入ってしまって、僅かに聞き取れた言葉を忘れてしまったそうだ。
香織が僕の部屋へ来たときの状況や、『離さない』と言ったらしい台詞からも
彼女に聞こえなくて良かったと思う発言をしていただろう自覚は120%位ある。
昨夜の自分の状況を考えると、行動を起こさなかったのが奇跡のような気がしてきた。
良くぞ耐えたと、自分の理性を賞賛してみたくなる。
もしかして僕に遠慮して言えないだけで、本当は何かあったんじゃないかと、不安は拭いきれない。
何でもない顔をして冗談のように「僕、香織を襲わなかった?」と、笑って聞く勇気もない。
焼きたてのクロワッサンに感動している香織を見ていると、特に、昨夜の事を不快に思って、僕を嫌っている様子は無い。
これ以上質問するのは、自ら首を絞めている気もするし、このまま濁したほうが良いのかもしれない。
香織も寝入ってしまって、僅かに聞き取れた言葉を忘れてしまったそうだ。
香織が僕の部屋へ来たときの状況や、『離さない』と言ったらしい台詞からも
彼女に聞こえなくて良かったと思う発言をしていただろう自覚は120%位ある。
昨夜の自分の状況を考えると、行動を起こさなかったのが奇跡のような気がしてきた。
良くぞ耐えたと、自分の理性を賞賛してみたくなる。
もしかして僕に遠慮して言えないだけで、本当は何かあったんじゃないかと、不安は拭いきれない。
何でもない顔をして冗談のように「僕、香織を襲わなかった?」と、笑って聞く勇気もない。
焼きたてのクロワッサンに感動している香織を見ていると、特に、昨夜の事を不快に思って、僕を嫌っている様子は無い。
これ以上質問するのは、自ら首を絞めている気もするし、このまま濁したほうが良いのかもしれない。