【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「あのね、廉君は『香織…欲しい』って言ったの」

「……」

もしかしたら、そんな感じのことを言ったんじゃないかと不安ではあったけど、ヤッパリ…。

『香織…欲しい』か…。

何て言うか、願望丸出しのダイレクトな台詞だなぁ。

寝ぼけてなかったら絶対に言えないだろうな。

「声が擦れてて良く聞こえなかったんだけどね。
最初の『香織』と、最後の『欲しい』は、何となく解ったの。
でも『何を』っていう肝心なところが聞こえなかったのよね。
凄く気になって眠れない!って思っていたんだけど…」

「眠れたみたいだね?」

「うん。一人だったら眠れなかったかもしれないけどね。
廉君の鼓動を聞いていたら安心して、いつの間にか眠ってしまったの」



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