【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
僕を産んだ母親は3才の時に他界している為、僕は写真でしか顔を知らない。

今の母は僕が6才になる年に父が再婚した相手だ。

それでも母を知らない僕にとっては、唯一の母親である事に変わりは無い。

彼女はとても優しくて料理も上手で理想のお母さんだと思う。

だから父と再婚したときも、子どもが好きな母は僕をとても可愛がってくれ、幼い僕はすぐに彼女に懐いた。

母親が出来たことで、すぐに自分にも弟か妹が出来ると思い込んでいた僕は、何度も母に兄弟が欲しいと駄々をこねたものだ。

そんな時、母は何時も困ったような顔をして、『コウノトリさんがなかなか来ないのよ。ごめんね』と言っていた。

幼い僕は、それを素直に受け止めていたけれど、いつの頃からか真実を知るようになった。


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