【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
夏休み直前
廉君があたしを別荘へ招待したいと言い出した。
しかも、廉君がお父さんと一緒に手掛けたホテルにゲストとして宿泊して、おまけにパーティまで一緒に出て欲しいって…。
余りにも思いがけない申し出に、驚きを隠せなかったけれど、廉君がお父さんのお仕事を手伝っている事を聞いてからずっと頑張っている姿を見てきたから、彼の申し出を喜んで受けたいと思った。
廉君がこのプロジェクトに関わって3年にもなると聞いたのは今年の4月のこと。
彼のお父さんがこの学校の理事長先生だと知ってからだった。
ボサボサ頭で瓶底眼鏡。学校では全然目立たない彼。
スポーツは結構できるし、頭だって凄くいいのに、容姿にこだわらなくて、チョット人見知りの性格が彼を目立たない存在にしている。
でも、そんな彼が浅井グループの後継者で、普通の高校生では考えられないくらい大変な生活をしてるなんて、誰が思うだろう。