【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「何しょぼくれてるんだ? 廉。香織姫に振られたのか?」
突然声を掛けられ、驚いて振り返ると、いつの間にか戸口に立ち、腕を組んでニヤニヤしている紀之さんと目が合った。
瞬時に昨日のホテルでのことを思い出し、不快感が込み上げる。
「何をしにきた」
「随分な口の利き方だな。ククッ…姫から昨日の事を聞いて喧嘩でもしたのか?」
楽しげな笑い声を聞いた瞬間、僕の中で何かが切れた。
自分が何をしたのかなんて覚えていない。
凄い勢いで湧き上がった怒りに、身体が突き動かされていた。
胸倉を掴みあげ、腕を捻り上げると強く壁に押し付ける。
彼の手から飛んだ車のキーが耳障りな音を立てて床を滑っていった。
紀之さんは信じられない顔をして僕を凝視したが、一番驚いたのは僕自身だった。
「香織と喧嘩をしたかだって? ふざけるな!香織を襲わせたのはお前だろう!」
「なっ…何のことだ?」
「とぼけるな! 昨日香織に何があったか知らないとは言わせない。この春日の犬がっ!」
怒りに任せギリギリと掴んだ胸倉を絞り、首を締め上げる。
紀之さんの顔色が変わっていく様を鼻先で冷笑し、抵抗しようとする腕を更に捻り上げた。
突然声を掛けられ、驚いて振り返ると、いつの間にか戸口に立ち、腕を組んでニヤニヤしている紀之さんと目が合った。
瞬時に昨日のホテルでのことを思い出し、不快感が込み上げる。
「何をしにきた」
「随分な口の利き方だな。ククッ…姫から昨日の事を聞いて喧嘩でもしたのか?」
楽しげな笑い声を聞いた瞬間、僕の中で何かが切れた。
自分が何をしたのかなんて覚えていない。
凄い勢いで湧き上がった怒りに、身体が突き動かされていた。
胸倉を掴みあげ、腕を捻り上げると強く壁に押し付ける。
彼の手から飛んだ車のキーが耳障りな音を立てて床を滑っていった。
紀之さんは信じられない顔をして僕を凝視したが、一番驚いたのは僕自身だった。
「香織と喧嘩をしたかだって? ふざけるな!香織を襲わせたのはお前だろう!」
「なっ…何のことだ?」
「とぼけるな! 昨日香織に何があったか知らないとは言わせない。この春日の犬がっ!」
怒りに任せギリギリと掴んだ胸倉を絞り、首を締め上げる。
紀之さんの顔色が変わっていく様を鼻先で冷笑し、抵抗しようとする腕を更に捻り上げた。