【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
痛みに歪む顔に脂汗が浮かぶのを見て、せせら笑った。
「痛い? 苦しい? 香織はもっと辛かったんだよ? ねぇ、紀之さん。彼女がどんな気持ちだったか解る?」
「ぐっ…廉…っ……待て。話し…をっ…」
「香織は10人もの男に輪姦(まわ)されるところだったんだよ?
彼女の叫びなんて誰も聞こうとしないでさ。ねぇ、彼女が何をした?
春日はどうしてそこまで冷酷になれるの?」
僕の言葉に益々蒼白になる紀之さん。
香織を失った哀しみと怒りの矛先は完全に彼に向けられ、抑えきれない感情に拳を固めると力いっぱい振り切った。
「俺じゃないっ!」
ガスッと鈍い音がして、拳に衝撃と痛みが走る。
紀之さんの鼻先を霞めた拳は、顔面を逸れ鈍い音を響かせて壁に減り込んでいた。
「…しらばっくれるな。お前でなければ誰だっていうんだ?」
「違う…俺はっ…確かにホテルに彼女が来る事を調べて…脅す真似を…した。だが彼女を…襲わせたりしていない」
「…ホテルで何を話した」
「廉…放せ…苦し…」
腕を緩め紀之さんをソファーに投げ出すと、テーブルの上のペーパーナイフを取り上げ切っ先を鼻先に向けた。
「話せ。その爪を一枚ずつ剥がされる前に…」
「痛い? 苦しい? 香織はもっと辛かったんだよ? ねぇ、紀之さん。彼女がどんな気持ちだったか解る?」
「ぐっ…廉…っ……待て。話し…をっ…」
「香織は10人もの男に輪姦(まわ)されるところだったんだよ?
彼女の叫びなんて誰も聞こうとしないでさ。ねぇ、彼女が何をした?
春日はどうしてそこまで冷酷になれるの?」
僕の言葉に益々蒼白になる紀之さん。
香織を失った哀しみと怒りの矛先は完全に彼に向けられ、抑えきれない感情に拳を固めると力いっぱい振り切った。
「俺じゃないっ!」
ガスッと鈍い音がして、拳に衝撃と痛みが走る。
紀之さんの鼻先を霞めた拳は、顔面を逸れ鈍い音を響かせて壁に減り込んでいた。
「…しらばっくれるな。お前でなければ誰だっていうんだ?」
「違う…俺はっ…確かにホテルに彼女が来る事を調べて…脅す真似を…した。だが彼女を…襲わせたりしていない」
「…ホテルで何を話した」
「廉…放せ…苦し…」
腕を緩め紀之さんをソファーに投げ出すと、テーブルの上のペーパーナイフを取り上げ切っ先を鼻先に向けた。
「話せ。その爪を一枚ずつ剥がされる前に…」