【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
まだ誰もいないオフィスで、僕はすごい勢いで仕事を片付けていった。
香織が来るというだけで、こんなにもパワーが溢れてくるのだから自分でも笑ってしまうほどだ。
社員が来る頃には、僕のデスクの上は、何処から沸いてくるのかと思うほどに書類が積みあげられていた。
とても午前中だけでは終わりそうに無い仕事量だったが、眩暈がしそうになる気持ちに叱咤し、約束の時間までにはケリをつけようと、追いかけてくる時間に挑むように頑張った。
何とか無理矢理切り上げてタクシーに飛び乗った頃には、既に香織との約束の時間は30分ほど回っていた。
つい先ほど香織から別荘に着いたとメールが入り、僕のテンションは最高潮に高まっている。
早く、早くと願うときほど、時間もタクシーもゆっくりと流れるのがもどかしかった。
焦る気持ちに車のメーターを覗き込むが、体感スピードより、ずっと車の速度は速いようだ。
人間の感覚なんて当てにならないものなのだな。
と、どうでも良い事を妙に納得しながら、窓の外を流れる景色が少しずつ香織へと近づくのを、じれったい思いで見つめていた。
香織が来るというだけで、こんなにもパワーが溢れてくるのだから自分でも笑ってしまうほどだ。
社員が来る頃には、僕のデスクの上は、何処から沸いてくるのかと思うほどに書類が積みあげられていた。
とても午前中だけでは終わりそうに無い仕事量だったが、眩暈がしそうになる気持ちに叱咤し、約束の時間までにはケリをつけようと、追いかけてくる時間に挑むように頑張った。
何とか無理矢理切り上げてタクシーに飛び乗った頃には、既に香織との約束の時間は30分ほど回っていた。
つい先ほど香織から別荘に着いたとメールが入り、僕のテンションは最高潮に高まっている。
早く、早くと願うときほど、時間もタクシーもゆっくりと流れるのがもどかしかった。
焦る気持ちに車のメーターを覗き込むが、体感スピードより、ずっと車の速度は速いようだ。
人間の感覚なんて当てにならないものなのだな。
と、どうでも良い事を妙に納得しながら、窓の外を流れる景色が少しずつ香織へと近づくのを、じれったい思いで見つめていた。