【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「え…っ?お休みなの?」

「そうだよ。だってようやく香織に会えたんだもの。
これまで頑張った分1日くらい休まないとね?」

「一晩中って…あの…」

やっぱりそういうこと?

「一晩中香織を抱きしめて、会えなかった間の事を聞きたい。
僕の知らない香織が一瞬でもないように…」


…ああ、なんだ。

やだ、あたしったら考えすぎ。



「クスクス…いいわ。
じゃあ、今夜はあたしにも沢山の事を聞かせてくれる?
廉君のこと、もっと知りたいの」

「僕のことなんて、面白いことないよ?」

「そんなことないわ。小さい頃の写真とか見たいなぁ?…いいでしょ?」

あたしの言葉に複雑な顔をする廉君に、ダメ?と必死にお願いしてみると、彼は諦めたように苦笑した。

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