【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
君にはいつだって微笑んでいて欲しい。
その微笑が僕にとっては究極の癒しで、慣れない仕事でいっぱいいっぱいの僕を支えてくれる唯一のエネルギーなんだから。
「香織、そのことなんだけど…」
「気にしないで。…あたしなら平気よ。お仕事頑張って」
ニッコリと笑ってみせるが、むしろそれが痛々しかった。
確かにその日は僕にとって大きな仕事のある日で、僕の不在では始まらない。
17歳の誕生日は、僕にとって生涯で忘れることの出来ない日になるだろう。
でも…そんな日だからこそ、できれば香織には僕の傍で笑っていて欲しいと思っていた。
彼女さえ良かったら、一緒に過ごして欲しいと、密かにそれを切り出すタイミングを考えていた。
だが、紀之さんの出現が起爆剤となり、『できれば』とか『彼女さえ良かったら』なんて悠長な気持ちは何処かへ吹っ飛んでしまった。
今すぐに、彼女に約束をさせたいと思ったら、考えるより先に身体は動いていた。
その微笑が僕にとっては究極の癒しで、慣れない仕事でいっぱいいっぱいの僕を支えてくれる唯一のエネルギーなんだから。
「香織、そのことなんだけど…」
「気にしないで。…あたしなら平気よ。お仕事頑張って」
ニッコリと笑ってみせるが、むしろそれが痛々しかった。
確かにその日は僕にとって大きな仕事のある日で、僕の不在では始まらない。
17歳の誕生日は、僕にとって生涯で忘れることの出来ない日になるだろう。
でも…そんな日だからこそ、できれば香織には僕の傍で笑っていて欲しいと思っていた。
彼女さえ良かったら、一緒に過ごして欲しいと、密かにそれを切り出すタイミングを考えていた。
だが、紀之さんの出現が起爆剤となり、『できれば』とか『彼女さえ良かったら』なんて悠長な気持ちは何処かへ吹っ飛んでしまった。
今すぐに、彼女に約束をさせたいと思ったら、考えるより先に身体は動いていた。