【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「じゃあ『お父さん』と呼ばせて頂きます」と言うと、
お父さんは「克己君がよかったのになあ」と少し残念そうに言い、
廉君はそれを聞いて、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「廉のヤツさあ、香織ちゃんと付き合うようになってから、すごくやる気を出してね。
積極的にアイディアを出したり、皆を統率するようになったんだ」
「あたしと付き合ったからじゃありません。
それは廉君が頑張ったからですよ」
「クスクス…それは違うよ。なあ?廉」
お父さんが笑いながら廉君に視線を送ると、何も言わず視線を逸らし、黙々と食べ始めた。
何だか照れているようにも、怒っているようにも見えて、不安な気持になる。
「それまで嫌々手伝っていたのに、急にやる気を出したから、どうしたんだって何度も聞いたけど、ずっと教えてくれなくてね。
聞き出すまでに苦労したんだよ」
何だか廉君を挑発しているみたいな視線が気になって、あたしは自然と廉君を窺うように見た。
廉君は相変わらず、黙々と食べるだけで、あたし達を見ようとしなかった。
お父さんは「克己君がよかったのになあ」と少し残念そうに言い、
廉君はそれを聞いて、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「廉のヤツさあ、香織ちゃんと付き合うようになってから、すごくやる気を出してね。
積極的にアイディアを出したり、皆を統率するようになったんだ」
「あたしと付き合ったからじゃありません。
それは廉君が頑張ったからですよ」
「クスクス…それは違うよ。なあ?廉」
お父さんが笑いながら廉君に視線を送ると、何も言わず視線を逸らし、黙々と食べ始めた。
何だか照れているようにも、怒っているようにも見えて、不安な気持になる。
「それまで嫌々手伝っていたのに、急にやる気を出したから、どうしたんだって何度も聞いたけど、ずっと教えてくれなくてね。
聞き出すまでに苦労したんだよ」
何だか廉君を挑発しているみたいな視線が気になって、あたしは自然と廉君を窺うように見た。
廉君は相変わらず、黙々と食べるだけで、あたし達を見ようとしなかった。