【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
あたしが真っ赤になってモジモジするのを見て、廉君はたまりかねたように立ち上がった。

「デザートは部屋で食べるから」

と、言うと、二人分のデザートをトレイに乗せ、ほぼ食べ終えていたあたしの腕を取って、有無を言わさずダイニングを出た。

突然拉致されたのには驚いたけれど、そんな彼の強引さに、心臓がバクバクと五月蝿く鳴り響く。

新たに見つけた一面は、なんだか意外で…

でもとても素敵だった。

あたしの知っている学校での目立たない彼とは違う

ここ(別荘)での彼は凛としていて、いつもよりずっと男らしい


いつもよりずっと激しい抱擁

いつもよりずっと熱い視線

いつもよりずっと大人びた仕草

いつもよりずっと荒っぽい物言い


それは本来廉君の中に眠る、企業家としての浅井 廉の姿なのかもしれない。



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