【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
それぞれの寝室に別れ、ベッドに横になってからも、彼女の寝姿が浮かんできて、とても眠れそうになかった。

仕事の資料に目を通しながら、暴走しそうになる自分自身を鎮めていく。

2時間ほど仕事をしているうちに冷静にはなったが、今後の課題を考えると頭が痛い。

まさか、自分の欲求がここまでのものとは思わなかった。

もしもあの時、香織が朝まで付き合ってくれると言っていたら、僕は迷いを捨てていたかもしれない。

1週間会えなかった時間が、更に想いを募らせたせいだろうか。

これ以上香織に触れて、紳士の仮面をつけていられる自信は、どんどん薄れていく。

理性の砕ける音がビシビシと脳天を刺激して、後どのくらいで本能に喰われてしまうか自分でも判らない。

二人で過ごす夏休みは、まだひと月もある。

僕、こんなんで本当に彼女を襲わずにいられるんだろうか?




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