【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「ほらね?ゆっくり休むのは香織のほうだよ。
僕の事は気にしないで?
どんなにゆっくり寝ても、きっと香織のほうが起きるのは遅いと思うから」

「え~?そんな事ないもん」

実際は本当だけど、素直に「そうです」なんて言いたくないじゃない?

「そう?じゃあ僕より先に目覚めたら、起こしに来てくれる?」

「え?…いいけど、何時に起こすの?」

「何時でもいいよ。僕は鍵を掛けないから…
僕より早起きできたら部屋へおいで。いい?」

「……それって、絶対に廉君のほうが早起きだって言いたいのね?」

プウッと膨れっ面をして、怒ったフリをしても、本気じゃないことは廉君にはお見通しのようで、くすくす笑っているだけ。

完全にあたしには無理だと思われているのがチョット悔しい。

無理と言われると、ムキになってしまうのはあたしの性格。

だったら絶対に廉君より早く目覚めて、彼を起こしてあげようじゃない。


明日の朝、絶対に驚かせてやるんだからっ!


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