【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
「なんだか恥ずかしいよ。
あたしも廉君と一緒にいられるならうれしいけど、パパやママが何て言って出て来たらいいの?
1泊ならまだしも、暫くってどのくらい?」

はにかみながら僕を見上げる瞳は、まだ少し潤んでいて…。

僕は魅せられるように、柔らかな髪に唇を押し当てた。

どんな理由をつけても連れて行くつもりだが、強引に勧めると、先ほどの事もあり香織を怖がらせてしまいそうで、あくまでもソフトに話を持っていく。

こんな芸当が出来るようになったのは、香織と付き合うようになって、仕事でも少しずつ自信を持てるようになったからだ。


『お前を変えたと噂の高い彼女がどれほどのものか――』

紀之さんの言葉が脳裏を過ぎった。

彼女が僕を変えたのは事実。

だけど、その噂がどんなもので、どんな風に広がっているのか…

彼女に何かある前に、早急に突き止めなくてはと思った。


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