Kissから始まる♡♥♡〜君は私に絶対服従!!?〜
あ。
春樹たちの向こうにいた長い黒髪をみつあみにした女の子。
最後にあの女の子を確認しようとしたが.....
いない。
彼女はもといた場所にはもういなかった。
あの子は一体何者なのだろうか。
裏世界にいたってことは魔力があるか、魔法が使えるか....。
つまりあの子は普通じゃない。
敵か味方かすらもわからない。
「おい!!未来!!」
「へ?」
ぼけっと考える私の目の前をふわふわと飛ぶライちゃん。
空は青く、金閣寺はぴっかぴか。
元の世界に帰っている。
「全く大丈夫か?それより魔石を手に入れたみたいだな!!魔力が強くなっているぞ!!」
初めは心配そうにしていたものの、魔石の話になると嬉しそうに笑いだすライちゃん。
ああ、そうだ。
私、魔石を手に入れたんだっけ。
あの心地よい声に導かれて。
「てか、なんで僕たちは先輩たちの元に辿り着けなかったんですかね?」
彩斗くんが不思議そうに首をかしげる。
辿り着けなかった?
どーいうこと?
「こっちはずっと来るのが遅いなぁと思っていたんだ。辿り着けなかったってどーいうこと?」
天馬くんも不思議そうに首をかしげる。
「言葉の通りだよ。彩斗くん、僕、ライラ王は同じ深い霧のかかった道をさ迷っていた。」
天馬くんの疑問に答えたのは天王寺先輩。