Kissから始まる♡♥♡〜君は私に絶対服従!!?〜
「ボケッとせずに足動かせよ。おいてくぞ。」
いつの間にかみんな歩き出していた。
で、私だけ歩いていないみたいな。
「あ。待って。」
振り向いて私を待つ春樹の元へ走る私。
春樹の横顔。
その顔には傷一つない。
だけどさっきまでボロボロだったんだ。
「.....っ。」
春樹はいつもなんだ。
本当はもっと強いのに。
やられたりなんてしないのに。
私の力が弱いから。
「なんて顔してんの。」
おかしそうに私を見つめてクスリと笑う春樹。
「大丈夫だ。俺はお前を守るためにいる。気にするなよ、そんなこと。」
「春樹は私の思考が読めちゃうんだね。エスパーですか?」
「誰だってわかるだろ?お前わかりやすいから。」
私にだけ見せてくれる笑顔。
無愛想なのか、いいヤツなのか。
春樹もまた、よくわからない。
「ありがとう。」
「おう。」
春樹は私の言葉を聞いて納得したように笑うと再び歩き出す。
春樹、いつもごめんね。
早く魔石を見つけて強くなるからね。