Kissから始まる♡♥♡〜君は私に絶対服従!!?〜
「何かな?これは。」
誰も何も言わなかった。
だけど彼は言った。
天王寺先輩だ。
天王寺 椎ーテンノウジシイー。
色素の薄い艶やかな髪。
柔らかい目元。
完璧な王子様。
「ちょっと退いて。」
女の子たちを掻き分けながら私に近づく天王寺先輩。
あれ?
この感じ....。
「人間の癖に。邪魔をしたな。」
魔物がそう言った瞬間、世界の色が変わる。
裏世界だ。
私を囲んでいた女子たちは消え、私と魔物だけになった。
と思った。
「......。」
黙って私を見つめる天王寺先輩。
やっぱり。
私は彼から感じていた。
騎士の力を。
「印持ちのただの人間か。」
フッと鼻で笑って天王寺先輩を見つめる魔物。
やっと見つけた。
最後の騎士。
「先輩...。」
私は力を振り絞って先輩を呼ぶ。
契約を交わさなくては。
「君が乙女の印を持つ者?」
バンッ
「そう簡単に契約を交わさせるとでも?」
魔物は私に近づこうとした天王寺先輩を吹っ飛ばす。