Kissから始まる♡♥♡〜君は私に絶対服従!!?〜
「.....あっ。」
春樹たちの向こうに現れる長い黒髪をみつあみの女の子。
あんなに遠くにいるのに、にやりと笑う表情がはっきりと見える。
そして口がゆっくりと動く。
『もう少し。』
と。
もう少し?
どーいう意味?
ドンッ
さっきよりも派手な爆音。
な、何!!?
私は急いで春樹の方を見る。
「ちっ。」
悔しそうに舌打ちする春樹は倒れている。
え?
春樹たちはさっきまでほぼ互角だった。
いや、春樹の方が押していた。
なのに、今の状況は何?
春樹が倒れてる?
「はっ春樹!!」
「未来ちゃん!!」
春樹の方へ行こうとする私の腕を掴む天馬くん。
「ダメだよ!!提灯の中から出ちゃいけない!!」
「で、でも!!春樹が!!」
天馬くんは私の腕を離そうとしない。
私はそんな天馬くんに叫ぶことしかできない。
「離して!!」
「落ち着いて!!春樹くんなら大丈夫だから!!ライラ王がみんなを呼ぶのを待つんだ!!」
天馬くんの険しい表情。
こんな天馬くん見たことない。
ドンッ
春樹が魔物の攻撃をなんとか防ぐ。
春樹、ボロボロだ。
なんで?
魔力は足りているはず。
どうして春樹が押されているの?
「ライラ王、遅すぎない?」
天馬くんは焦った表情で春樹を見つめている。