噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
テーブルに、突っ伏してもう一度溜息を付く。
「もう。そんなに溜息ばかり付いてると、幸せ逃げるわよ。」
「だってー。空良さんが、私を避けるんだもん。」
「あー、あれか。ん、まぁ・・・あれは、気にしなくても良いんじゃない?きっと、雪稀が悪いわけじゃないわよ。」
困ったように苦笑しながら、そう言った。
え?なんで、そんなこと分かるんだろう。
千尋は、空良さんが私を避ける理由を知ってるの?
「千尋、何か知ってるの?」
「知らないわよ。ただ、なんとなくそう思うだけ。多分彼は今、自分の気持ちをどう受け止めたらいいのか考えてるんだと思う。」
「空良さんの気持ち?・・・」
「そうそう。だから、雪稀はその答えが出るまで、普段どおりにしてなさい。」
「それで、いいの?」
「いいんだって。ホラ、このケーキ美味しいよ。」
千尋は、ブルーベリーのチーズケーキを一口分フォークで刺して
私の口元に持ってきた。