噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
「ただいまぁ。」
少し元気のない声で、リビングに入ってきた雪稀。
思ったより早い帰宅に驚きつつ、ソファに腰掛けたまま
雪稀の方を見た。
「あれ、早かったんだな。」
海翔も同じように不思議に思ったのか、雪稀に声を掛けた。
確かに、雪稀が出掛けてから3時間くらいしか経っていなかった。
普通、女の子の集まりって話が長くて
気が付いたら、夜になってたって事が良くあるのに
雪稀はそんな事ないんだろうか?
それとも、思ったより楽しく無かったとか?
「どうだった?美味かったか?」
「あぁ、うん。凄く美味しかったよ。どれも、噂通り綺麗で食べるの勿体ないくらいだった。」
そう、笑顔を浮かべる。
美味しかったって言う割には、どこかいつも違う。
それは海翔も分かったみたいで、俺の方をチラッと見て
何かあったのか?みたいな目を向けてくる。