噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
「雪稀様、紅茶でもお淹れしましょうか?」
「ううん、いい。食べ過ぎちゃって・・・少し、部屋で休むね。」
「左様でございますか。では、夕食の時間になりましたらお呼びいたしますね。」
「うん、お願い。」
薄く笑った雪稀は、そのままリビングを後にした。
いったい何があったんだ?
今日は、ベンツやリムジンを使う事なく
千尋と待ち合わせをしていたらしく
柊や如月に、帰りの様子を聞いても分からないし。
でも、雪稀の様子が気になって
俺は後を追いかけるように、リビングを出た。
「雪稀っ。」
部屋に入ろうとした雪稀の手を取り
動きを止めた。
「どうしたの?」
「どうしたのは、俺が聞きたいよ。何があった?」
「え?・・・」
雪稀は目を大きく見開き、俺を見つめている。
「何も、無いよ。」
しばらくして、ようやく聞こえた言葉は
それだった。