噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
≪雪稀side≫
ごめんなさい、空良さん。
心配してくれていたのに・・・
でも、私もまだ分からないの。
陸玖さんを信じたい気持と
裏切られたという気持ち
混乱してて、上手く説明できないの。
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「楽しみだね~。高藤パティシエのケーキ」
「うん。私ね、持って来ちゃった。」
そう言って、千尋が鞄から出したのはカメラ。
ちゃっかり持ってきたのね。
でも、分かる気がする。
だって、高藤パティシエの作るケーキはどれも宝石のように
キラキラ輝いて、繊細なものだって聞いてるから。
私だって、携帯のカメラでいっぱい撮るつもりなんだから。
キャッキャ話しながら、バイキングが開催されている
Queen's Hotel の玄関前のロータリーに沿って歩いていると
スッと私達の横を通り過ぎる、黒いベンツ。