噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

あれ・・・陸玖さん?

でも、今日もお仕事だって朝早く出掛けて言ったはずなのに・・・

まさか、ね。


ベンツは静かに、玄関前に止まり

ボーイがドアを開ける。

車から降りてきた男性・・・それに続いて降りてきた女性。

マロンブラウンの胸まである髪を、毛先だけクルンとカールさせ

清楚な感じな服を着た、まさしくお嬢様みたいな大人な女性。


「ねぇ、ねぇ。あれ、陸玖さんじゃない?」


ベンツから降りてきた、長身の男性を見て千尋が囁く。

陸玖さんは、彼女をエスコートするように手を添え

お互い微笑みながら、ホテルの中に入っていく。

まるで、恋人同士の様に・・・。


「雪稀・・・行こっ。」

「え、あ・・うん。」


呆然としていた私の手を、千尋に引かれるまま

2人を追いかけるようにホテルに入る私達。


そして、目にしたものは――――――


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