噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

ふいに、目から大粒の涙が溢れ出た。


「ふっ・・うぅ・・・ぐすん。」


枕を手繰り寄せ、顔に押し付ける。

それでも、涙は治まってくれなくて

次から次へと、溢れた。


それから、またどれくらい時間が過ぎただろうか。

ドアの外で声が聞こえた。


声を荒げた、二つの声。


「原因なんて、陸玖にぃしか考えられないだろっ」

「なんで俺なんだよ。俺は仕事だったんだぞ・・・」

「雪稀のあんな沈んだ顔、見た事がない。きっと兄貴の所為だっ。」

「空良・・・」


え?りっちゃんと、空良さん?!

もしかして、私が原因で喧嘩してる??


嫌だ。それだけは、イヤだ。

私なんかの所為で、この家の人達がギクシャクするとか

喧嘩するとか、そんなの嫌だっ。


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