噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
そう思った瞬間、私はベッドから飛び起き
部屋のドアを開けた。
「違う!!りっちゃんは、何も悪くないっ。私が勝手に・・・っ」
部屋の中が暗かっただけに、明るい廊下にでると眩しくて
二人の顔が見えない。
でも、いきなり廊下に出てきた私に驚いたのか
二人とも、一斉に振り返ったのだけは分かった。
「雪稀・・・」
「っ・・・」
「目が腫れてる。泣いていたの?」
顔が見えないように俯いたけれど、既に遅くて
頬に温かなものが触れ、顔を上げさせられた。
それは、陸玖さんの掌で――――――
「俺の、所為?」
「ちがっ・・・」
違うと言いたかった。けど、言えなかった。
一瞬、あの女性の姿が浮かんできたから。
「空良、雪稀と二人にしてくれないか。」
「っ・・・」
後ろにいた空良さんは、悔しそうで
それでいて、悲しそうな目をして自分の部屋に入っていった。
「雪稀、こっちにおいで。」