噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
11.連れ去られた姫
――――――――今なんて・・・ス、キ?・・・
空良さんが、私のことを??
「ウソ、だよね?」
「違う、嘘じゃない。俺、初めてなんだ。俺と海翔を見分けてくれた人に会ったの。正直驚いたけど、嬉しかった。だから、いつも雪稀の傍に居たくてバカやったりじゃれ合ったりしてた。」
俺は、雪稀を抱きしめたまま
ポツリポツリと話し始めた。俺の本当の気持ちを――――――
「初めは、楽しいだけだったんだ。でも、だんだん雪稀を独り占めしたくなって・・・誰にも、触れさせたくないって思って。気が付いた時には、好きになってた。もちろん、陸玖にぃの婚約者だって分かってた。だから、諦めようと思って、俺から遠ざけようとしてた。」
「・・・もしかして、私を避けてた時。」
「そうだよ。あの頃、雪稀を意識しすぎて、どうしたらいいのか分からなくて・・・だから、俺から避けるようにわざと仕向けてた。ゴメンな。」
雪稀はふるふると小さく首を振った。
「それから、ずっと考えて・・・雪稀が笑ってくれるんだったら、俺の傍じゃなくてもいいかなって・・・やっと思えてたのに。」
「ゴメンなさい。私・・・空良さんの気持ち、全然気が付かなくて・・・」