噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
「雪稀が謝る事なんてない。俺、もう雪稀の悲しむ顔は見たくないんだ。幸せにするから、俺を選んでよ。」
少し震えてて泣いているようにも聞こえる、空良さんの声。
陸玖さんに出会う前なら、きっと頷いていただろう。
でも、今ではそれはできない。
こんな時でも、浮かんでくるのは陸玖さんだから。
だから、この温かい優しい腕に甘えちゃいけない。
私は、空良さんの腕を、キュッと握った。
「空良さんの、気持ち嬉しいけど。」
「じゃ・・・」
「・・・ゴメン、なさい。私・・・やっぱり陸玖さんじゃなきゃ、ダメなの。」
「っ・・・雪稀。それで、お前は良いのか?」
言葉無しに、無言で頷く。
ここで、泣いちゃダメだ。
そう思うのに、視界は歪んでいくばかり。
「・・・分かった。」
空良さんは、抱き締めていた腕を放し
私の肩に両手を掛け、見つめた。