噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
「マジかよ、信じられねぇ。兄貴が動けないなら、俺は俺なりに今できることをする。」
案の定、陸玖にぃの話を聞き終えた空良はそういった。
「空良、何するつもり?」
「・・・華月家を調べてみる。」
そういうが早いか、空良は立ち上がりクローゼットに向かうと
部屋着を脱ぎ着替え始めた。
「空良、突っ走りすぎるなよ。」
「分かってる。陸玖にぃ、何か分かったら直ぐに教えてくれ。」
「あぁ。」
「雪稀が二度と哀しい涙を流さないですむのなら、俺はどんなことでもするから。」
空良・・・。
なんだか、急に大人の男になったな。
雪稀の為に、強くなろうとしているのかもしれない。
「・・・あぁ。」
陸玖にぃは、そういうと、スッとソファから立ち上がり部屋を出て行った。
「空良、お前・・・」
「なんだよ?」
「いや・・・いい男になったな。」
「・・・・ばっかじゃねーの。」
照れたようにガシガシと頭を掻くと部屋を出て行こうとした。
「どこに行くんだよ。」
「まずは、雪稀の連れ去られた場所を探す。」
「あ、それなら俺分かるかも。」
「はぁ??どうやって?」
「GPSだよ。雪稀のケータイが拾われてなけりゃ探せる。」
「おまぇ、それ早く言えよ。」
空良は、『はぁー』と深いため息を一つ吐いて
またガシガシと頭を掻いた。