噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
「私は、絶対にそんな話受けません。それに、私には婚約者が陸玖さんがいるもの。」
「言わなかったっけ?拒否権はない。君にも、御堂の長男にも何も言わせない。」
「そんなの、お母さんも陸玖さんも許さないわ。」
「ふふ。だから既成事実を先に作るんだ。」
既成事実??どういうつもり?
「ま、とにかく。4日後、氷野彰次がここに来る事になってるから。」
「なんで、ここに。」
「さぁ・・・。結婚式当日に初めて顔をみるより、マシなんじゃない?」
そういうと、クスリと不敵な笑みを浮かべ
部屋を出て行った。
「他の男に手を付けられたなんて知ったら、御堂の長男はどうなるだろうな。」
廊下に出た八雲は、そう呟いて部屋の扉を一瞥し
可笑しそうに、クククと喉を鳴らして笑っていたなんて
私は全然知る由もなかった。
祖母の企みの他に、この男にも別の思惑があったなんて――――――