噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
~華月家別荘~≪雪稀≫
陸玖さん・・・会いたい。
このまま、好きでもない男の人と結婚だなんて・・・
八雲さんから話を聞いた後
私は、何をする気にもなれなくて
ただただ陸玖さんを想い、唯一外が見える
窓の傍に座り空を見上げた。
このまま、会えないのかなぁ。
りっちゃん・・・嫌だよぉ・・・会いたいよぉ―――――――
幾つもの涙が止めどなく溢れ、頬を濡らしていく。
今日は、何曜日?
あれからどのくらい時間が経った?
はぁぁ~~~
何回目かの、ため息を吐いた。
朝日が昇り、そして陽が沈む。
何度か繰り返した気がしたけど、ずっとベッドで寝ていたせいで
時間の感覚も、日にちの感覚もマヒしていた。
八雲さんも、あれから一度もこの部屋には入ってこない。
食事は、使用人らしき女性が運んでくるが、食べる気にならず
一口も食べずに、いつも残していた。