噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

「ふ~ん。君が、雪稀か。」


入ってくるなり、私の体を上から下まで

舐めまわすように見て、ニヤリと笑った。


男は、短めのくすんだ銀髪に青いメッシュをサイドに入れ

カラーコンタクトなのか、瞳は青色に光っている。

両耳には、ピアスが2つずつ付いていたり。


あきらかに、怪しい男。


「あの女の孫だから、がめつい嫌味な奴かと思ったら案外可愛いじゃん。」

「なっ。」

「それに、ベッドで待ってるなんて・・・俺の事、誘ってんの?」

「はぁ?!違うわよっ。てか、あなた誰?!」


慌てて、ベッドから飛び降り

ゆっくりと歩いてくる男を、キッと睨み付け身構える。


「へぇ。怒った顔も可愛いね~。」


ぺろりと舌なめずりをする男。

気持ち悪い。

はっ、まさか・・・この人が、氷野彰次?!


「あ、分かったみたいだね。そ、俺は氷野彰次。君の婚約者。」

「っ、私には本物の婚約者がいるわ。」

「だから?・・・・そんなの、俺には関係ないね。」


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