噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
ジリジリと距離を縮めていく。
そんな、彰次から逃れようと後ろへを後ずさるものの
いつまでもそれは続かなくて、冷たいものが背中にあたった。
か、壁?―――――
「さぁ、どうする?可愛いウサギちゃん。」
氷野彰次は、まるで楽しんでいるかのよう。
一方、私はというとさっきから嫌な汗が背中を流れていたりする。
「いや、来ないで。」
「良いじゃん。俺たち、夫婦になるんだし。」
「誰があんたなんかと。絶対、結婚なんてしないんだからっ」
「そんなこと言って、いいの?あんたの婆さん、首吊っちゃうよ?」
言葉とは裏腹に、クスクスと笑う彰次。
私の、祖母ちゃん。
一度もあったことはないけど・・・旅館の経営が危ないって言ってたっけ。
私が、この人と結婚すれば本当に助かるの?
「ほら、大人しくして。」
いつの間に近づいたのか、彰次は私の肩を掴み
そのまま壁に押し付ける。
「イヤッ、離してっ。」
「もしかして、初めて?心配しなくても、優しくしてあげるから。」