噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
部屋に響いた音と声に驚いた彰次は
バッと扉の方に顔を向けた。
私は、彰次の背中の所為で見ることはできなかったけど
声で分かった。
部屋に駆け込んできたのは
間違いなく海翔さんと、空良さんだ。
やっぱり、来てくれた。
良かった・・・
「お前らなんなんだよ、さっさと出ていけっ」
「ふざけんな、てめぇ。」
怒りのこもった、低い声でそう空良さんの声が聞こえたかと思うと
次の瞬間、私の目の前にあった背中が無くなった。
「雪稀、大丈夫か・・・。」
「そら、さん・・・」
「っ、ゴメンな。遅くなって」
シャツのボタンは引き千切られ
下着は外され、露わになった上半身。
スカートも捲れ上がった状態の私を見た途端
泣きそうな顔になりながら、空良さんは
着ていたジャケットを脱ぎ、私を覆うように被せてくれた。
「来てくれて、ありがとう。」
「雪稀・・・」
そのままギュッと抱きしめてくれた。
ホッとしたのか、それとも空良さんの体温が温かかった所為か
だんだん視界が滲んできた。