噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
「もう、大丈夫だから。」
「ぅん・・・うん・・・。」
空良さんは、私の頭を優しく撫でながら
安心させるように、何度も「大丈夫」と言ってくれた。
でも、この部屋の中に居るのは
空良さんと海翔さんだけ・・・
私が一番聞きたかった声は、聞こえない――――――
陸玖さん・・・ダメなのかな・・・。
「雪稀、陸玖にぃなら下に居る。もうすぐ来るから。」
「っ・・・ホント?」
「こんな時に嘘なんて吐かない。けど、悔しいなぁ・・・」
「え?」
「兄貴の名前出しただけで、こんなに嬉しそうな顔するんだもんな。」
うそ?そんな顔してた、かな私。
頬が赤くなるのを感じて、両手で頬を隠した。
「ふふ、ホント可愛いよね。陸玖にぃに渡したくないなぁ。」
「なっ、もう。空良さんたらぁ。」
さっきまで頬を伝っていた涙は消え、笑顔が浮かぶ。
きっと空良さんは、どんな時でも笑わせてくれる天才だ。