噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

「お久しぶりです、お義母様。」

「な・・・お前に、お義母様と呼ばれる筋合いは無いっ、この泥棒猫め!」


凄い剣幕で、怒鳴る志乃。

真純は、そんな志乃に怯むことなく、ジッと志乃を見据えている。


「あなたは、あの時と何も変わっていないのですね。」


哀しそうに眉を下げ、目を伏せる。

そんな真純を背に颯馬が口を開いた。


「私たちがココに来た理由は、お分かりの筈です。」

「何のことかしら?私にはサッパリ分からないわ。」

「白を切るおつもりですか?」


颯馬の顔が、キリッと険しいものに変わる。

そして、一歩前に歩み出て志乃の目の前に立った。


「あなたの今の姿を、拓登が見たら何というでしょうね。」

「私に息子は居ないわ。22年前に・・・死んだわ。」


22年前 ―――――― 

それは拓登が真純と結婚を決意し、反対する両親を押し切って

この家を出た時だ。



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