噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
「こんな・・・バカな・・・私は、何のために・・・」
志乃は膝を折り、その場に崩れるように座り込んだ。
それをみた、使用人は慌てて近づき彼女を支えるように隣に座った。
「これでお分かりの筈です。あなたのした事は、この華月の名を汚したと共に犯罪に手を染めたのだと。」
「お義母様・・・亡き拓登さんの気持ちを、どうか今一度お考えください。そして、華月堂の行く末を案じるのなら・・・お考えを改めて下さい。」
しばらく沈黙が続く。
志乃はあまりのショックで、座り込んだまま微動だにしない。
おそらく全ての事が頭に入ってこないのだろう。
「私たちはコレで失礼します。後程、警察もここに来るでしょう。あなた次第で我々は、この華月を倒産に追い込むことも出来ます故よくお考えください。」
颯馬はそう言い残すと、「行きましょう」と真純に声を掛け
部屋を出て行った。
真純も志乃の様子を気にしながらも、そのあとを追うように
部屋を出て障子をピシャリと閉めた。