噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

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それから、一年後――――――――――――


私達は、変わらずあのマンションに住んでいる。


「いってきます、雪稀。」

「いってらっしゃい。」


陸玖さんは、玄関を出ようとしたけれど

何か思い出したのか、直ぐに戻ってきた。


「雪稀、無理するなよ。」

「はい。分かってますから。」


苦笑しながら、陸玖さんに微笑みかける。

それでも、彼は納得していないみたいで・・・


「ほら、早くしないと遅刻しちゃいますよ?」

「あ、いけない。じゃ、行ってきます。」

「いてらっしゃい。」

「あ、忘れ物っ」


チュッと唇に触れるだけのキスをして、出掛けて行った。


「ん、もぅ・・・心配性で困っちゃうわよねぇ。」


私は、臨月を迎えた大きなお腹を擦りながら

リビングのソファに座った。


もうすぐ、生まれる私たちの赤ちゃん。


こうやって、私達は2人から3人になって

愛を育み家族になっていく。



りっちゃん、私を覚えていてくれて

そして約束を守ってくれて、ありがとう。


私、凄く幸せです―――――――――――――

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