噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
お久しぶりっていうことは、やっぱり私ココに来た事があるんだ・・・
「あの、楓さん。私、ココに来ていた頃の記憶って無くて・・・その。」
「左様でございましたか、無理もありもありません。あなた様が3歳頃の事でございますから。それに、拓登様が亡くなられてからは、真純様もお忙しくなりお越しになる事はありませんでしたから。」
そう、なんだ・・・
確かに物心ついた時には、お母さんはジュエリーのデザインや
その勉強で、寝る間を惜しんで頑張っていた。
お父さんの影を見せないくらいに―――――
「楓さん。この部屋は私一人で使って良いんでしょうか?」
「もちろんでございます。陸玖様がいろいろ手配をして下さって、家具など準備させて頂きましたから。ご存分にお使いください。何か足りないものなどあれば、遠慮せず仰ってくださいね。」
そう楓さんは、優しい笑みを浮かべ言ってくれるけれど
1人で使うには・・・広すぎる。